非常用発電機の適切な保守方法

一定規模の人が集まる施設には非常用発電機の設置が消防法で義務付けられています。また、最近では異常気象の頻度も高まっており、万が一の場合を想定したBCPの一環として設置されている事業所も多いかと思います。

設置をすれば安心と思いきや、適切なメンテナンス・点検を行ってないと、必要な時に作動しないという事が起こります。実際に、今まで数多くの非常用発電機がトラブを起こし、都度ニュースとして取り上げられています。

東日本大震災の際整備不良で作動できなかったものが全体の41%
作動後途中で異常が発生したものが27%

事実、2011年の東日本大震災の際、非常用発電機を設置していたにも関わらず整備不良が原因となって作動しない、或いは、異常作動を起こしてしまったものは過半数以上の割合でした。

結果として、震災後の被害を拡大させてしまった一要因になってしまったと言われています。また、同様に非常用発電機のメンテナンスを怠っており、作動不良を起こす可能性のある発電機に関するニュースは後を絶ちません。

2018年消防法で防災用非常用発電機点検を義務化
BCPへの取組みは今後必須事項に…

そのような状況を踏まえ、2018年には消防法が改正され、防災設備に接続されている非常用発電機の定期的な点検を義務付けました。

一方で、昨今ではBCPに対する必要性も高まっており、その取り組みの有無が事業者の評価に直結するようになっています。特に事業継続をしていくうえで重要となる非常用電源については、法令対象に含まれるか否かに関わらず、点検をすることが求められるでしょう。

非常用発電機負荷試験にて保守点検を

サカエ工機では、非常用発電機の保守・点検業務を行っています。当社では非常用発電機の設備点検に合わせて模擬負荷試験を実施し、お客様の非常用発電機が問題なく作動し、万が一の際に稼働するかの確認を致します。また、最後にご提出する報告書は消防署に提出いただける形で作成をしていますので、そちらでも活用いただけます。

模擬負荷試験実施前点検
模擬負荷試験を始める前に設備の点検から始めます。この点検時に、設備不良が見られると負荷試験を行う事が出来ません。(普通に故障をしているという事です)

検査対象はエンジンオイル、冷却水、ベルト、バッテリー、端子台などになります。実は、この段階でトラブルが認められ、負荷試験に進めないケースも多々あります。

以下実際のトラブル事例
このような状況だと、非常用発電機は稼働しません
写真左上より
一段目:冷却水なし/触媒栓期限切れ/ホース破損
二弾目:オイル劣化/冷却水漏れ/冷却水変色劣化
模擬負荷試験
点検が無事に終わり、非常用発電機を稼働できる状況になったら負荷試験を行います。
試験では発電機を100%稼働まで運転させます。本来ならば施設側で消費しなければなりませんが、当社の模擬負荷試験装置を用いて消費させ、運転確認をします。
立ち上げ後、一定時間稼働させて、異常が発生しないかをチェックしていきます。
ご報告書提出
負荷試験が完了しましたら、それまでの内容を報告書にまとめて提出いたします。この報告書は消防署に提出ができるものですので、年次報告の際はご活用ください。